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目次
「急急如律令」とは
「急急如律令」とは、中国の古代法典である「律令」に由来します。文字通りに訳すと、「急げ急げ律令のように」という意味になります。この成句は、緊急事態や急を要する状況において、速やかに行動を起こし、適切な処置を取ることが必要であることを表しています。
律令は、中国の古代において国家の法体系を構成するもので、その規則は厳格であり、徹底的に守られるべきものでした。このため、「急急如律令」は、命令や要求が律令のように厳密で緊急性があり、遅滞なく実行すべきことを強調する表現として用いられることが多いです
日本では古くから、急急如律令は悪鬼を退散させる呪文とされ、道教や陰陽道だけではなく密教、修験道でも用いられてきました。特に護符に書かれることが多く、悪鬼退散の効果だけではなく、「願いを叶えるために動いてください」の意味でも用いられように変わってきました。
元々は、中国漢王朝の公式文書の末尾に用いられた決まり文句であり、「至急、律令(法律)の如くせよ」の意味で用いられました。それが「御上の命令を守らなければ罰するよ」という意味になり、後に道教で悪鬼をはらうための呪文となり、日本に伝わったといわれています。さらに、武芸伝授書の文末にも書かれるようになり、「教えに違(たが)うなかれ」の意味で使われました。
急急如律令と書かれた木簡
伊場遺跡
日本では静岡県指定史跡である伊場遺跡の大溝南縁から出土した木簡に「急急如律令」とかかれており、日本最古級の奈良時代の呪符木簡だといわれています。
現在は県指定文化財となり、浜松市博物館に収蔵されています。
条里遺跡
茨城県鹿嶋市の鉢形地区や爪木地区の条里遺跡(田んぼの跡)からも「急々如律令」と書かれた木簡が見つかっています。一緒に見つかった他の木簡には「蘇民将来子孫也」と書かれていました。「蘇民将来子孫也」という言葉には、「私は蘇民将来の子孫なので、厄病から免れますように」という願いが込められています。京都の八坂神社の茅の輪くぐりは「蘇民将来子孫也」ととなえながらくぐります。
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急々如律令の参考文献
「大漢和辞典(大修館書店)」には、『 はやく律令の如くせよといふこと。もと、漢代の公文書の用語であるが、後に巫者の語となり、速に退散せよの義に用ひられる』とあります。
「資暇録」では、『符呪のたぐいの末句であり、「急急たること律令のごと し」ということである。「令」の字は平声、読んで「零」となす。これは雷のそばにいる鬼で、 よく走り、雷とともにすみやかに疾走するところから出た』とあります。
中世日本で出された百科事典の「拾芥抄」の諸頌部には、「休息万命 急急如律令」とあります。これは、昔、くしゃみをすると鼻から魂が抜け、数を重ねるほど寿命が縮むと信じられ、そうした凶事を防ごうと、この呪文(急急如律令)を唱えました。 「拾芥抄」は鎌倉中期に原型ができて、その後増補されていきました。歳時・経史・風俗・年中行事などが記されており、中世における公家の信仰・習俗・教養,諸制度などを知る基本的史料です。
伝統芸能のなかの急急如律令
急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)とい言葉は護符やお守り、呪文だけではなく、伝統芸能の台詞や小説の中でも使われています。
歌舞伎十八番「勧進帳」
富樫と弁慶とが間答をかわす場面
富樫 「そもそも九字の真言とは、如何なる義にや、事のついでに問い申さん。ササ、なんとなんと」
弁慶 「九字は大事の神秘にして、語り難き事なれども、疑念の晴らさんその為に、説き聞かせ申すべし。それ九字真言といッぱ、所謂、臨兵闘者皆陳列在前(りんびょうとうしゃかいちんれつざいぜん)の九字なり。将(まさ)に切らんとする時は、正しく立って歯を叩く事三十六度。先ず右の大指を以て四縦(しじゅう)を書き、後に五横(ごおう)を書く。その時、急々如律令と呪する時は、あらゆる五陰鬼煩悩鬼(ごおんきぼうのうき)、まった悪鬼外道死霊生霊立所に亡ぶる事霜に熱湯(にえゆ)を注ぐが如く、実に元品の無明を切るの大利剣、莫耶(ばくや)が剣もなんぞ如かん。(武門に取って呪を切らば、敵に勝つ事疑なし。)まだこの外にも修験の道、疑いあらば、尋ねに応じて答え申さん。その徳、広大無量なり。肝にえりつけ、人にな語りそ、穴賢穴賢(あなかしこあなこあしこ)。大日本の神祇諸仏菩薩も照覧あれ。百拝稽首(ひゃっぱいけいしゅ)、かしこみかしこみ謹んで申すと云々、斯くの通り」
(地)感心してぞ見えにける。
富樫 「ハハ斯く尊き客僧を、暫時も疑い申せしは、眼あって無きが如き我が不念、今よりそれがし勧進の施主につかん。ソレ番卒ども布施物持て」
「雷神不動北山櫻」の四幕目「鳴神北山岩屋の場」
黒雲坊、白雲坊の二人が、師匠の鳴神に「そりゃあ何じゃ」といわれ、
二人声をそろえて「急急如律令」というと、 鳴神が「おおたわけめ」と返す。
近松門左衛門の浄瑠璃「女殺油地獄」中之巻、河内屋の段、勘当の場
おかち 「ああ、つらい、苦しい。」 と、もだえ身を震わせてうわごとを言う
父は驚いて顔色を変えるが法印はひるむ様子も見せず
法印 「そもそもおまえはどこから来た。早く去れ、去れ。行者の法力は尽きないぞ」 と、鈴と錫杖をちりりんがらがらと鳴らし
法印 「急急如律令」 と、責めつける
小説のなかの急急如律令
「牡丹燈記」 瞿宗吉:著 岡本綺堂:訳
かの牡丹燈を焼き捨てて、かれらを九泉きゅうせんの獄屋へ送るというのであった。急急如律令、もう寸刻の容赦もない。この判決をうけた三人は、今さら嘆なげき悲しみながら、進まぬ足を追い立てられて、泣く泣くも地獄へ送られて行った。それを見送って、道人はすぐに山へ帰った。
「青い月曜日」 開高健:著
改札口は通らず柵からぬけだした。急々如律令だ。心臓がどきどきする
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